最近、僕のクライアント企業に新卒のメンバーが加わったのですが、良い意味で従来の「新人」ではありませんでした。意見も鋭く、また、先輩たちの前で臆することもなく発言。従来の新人のイメージは、勉強中のために発言が少なかったり、先輩の手前で配慮して口数が少ないといったものだったのだけど、それを良い意味で覆されました。
クライアントの担当者に「素晴らしい人を採用されましたね」と感想を伝えたら「そうでしょう」との返答。その会社はいわゆる大企業なのだけれど、かつては大企業であってもそういった即戦力になる新人に出会ったことがなかったので、驚きました。
後日、偶然、若者研究の第一人者、原田曜平さんの著作「若者わからん!」を読んだのだけれども、その謎が解けたかもしれません。
◆2タイプの若者の仕事観
「若者わからん!」では、2つのタイプの若者が存在すると語られています。
1つは、会社に就職はするものの、オジサン世代が付き合いづらいと感じる自由なタイプの若者。上下関係や根性論といった旧世代(失礼!)の価値感に共感せず、それを押し付ける上司はブロックする(無視をする、もしくは、退職する)。逆に、自分たちの意志決定(権限委譲)を認めてくれる上司、説明が分かりやすい上司の下でよく働く。ただし、SNSでつながる友人の優先順位が高く、会社より友人を優先することもある。そのようなタイプ(図の下)。
もう1つは、好きを仕事にしてバリバリ働く若者。自分のネットワークもフルに活用しながら、インフルエンサーになったり、NPOを立ち上げたり、起業したりする。もちろん、企業に就職する者もいるが、必要なスキルを身につけた上で、やりたい仕事内容に従事するタイプ(図の上)。※こちらのタイプの若者は、同書ではあまり多く語られていません。
僕が出会ったクライアント企業の新人さんは、後者の若者なんだろう。
◆2タイプの若者の性格が異なる要因
なぜ、このような性格の差異が生じるのか。僕の考えとしては、幼少期の家庭環境に要因があるのではないかと結論付けました。
同著では幼少期の家の快適さが語られているのですが、快適だからその心地良さ(リラックス)を味わい尽くす(自由なタイプの若者:下)のか、快適だからやりたいことをやり尽くす(バリバリ働くタイプの若者:上)のか。
おそらく、親のちょっとしたスタンスの差が、彼・彼女の関心ごとに影響を与えているのだろうと想像するところです。
中高生以降はSNS等で友人とつながりあう文化は両者とも同じなのでしょうが、両者ではそのつながり方に違いが生じていそうです。
◆未来のお仕事
未来のお仕事を考える際、オジサン世代と若者世代の2つの視点で考える必要があるでしょう。
まずは、オジサン世代の視点。人口が少なくなっている若者を獲得しないと人手不足倒産になると同書では語られています。だから、自由なタイプの若者の心を理解して、心地よく成長してもらう環境を社内で整えることが必要でしょう。
また、バリバリ働く若者の動向もウォッチし、その成果やエネルギーを自社にも取り入れることが、会社をフレッシュに保つポイントになるかもしれません。
次は、若者世代の視点。バリバリ働く若者のほうは、すでに自分の道筋を作っているので問題はないと思いますが、自由なタイプの若者のほうは逆にオジサン世代のことを理解し、歩み寄りながら仕事を続けることが求められるのではないかと思います。
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